当初はひどい母親だなという印象でしたが、報道が精査されていくうちに、だいぶ問題のある業者だったことが浮き彫りになってきました。
川崎市では地域の子どもを預ける「家庭保育福祉員(保育ママ)」という制度があり、そのサービス拡充を求める立場でもあることから、私は知人のジャーナリストから意見を求められました。
概ね、以下のような意見を述べました。
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ネットで見つけたベビーシッターにわが子を預け、死なせてしまった事件について、テレビなどでは「なぜそんな人物に子どもを預けたのか」と、母親の責任を問う意見が多いように感じます。
確かにインターネットサイトの情報や印象だけで相手を信頼してしまうのも問題だと思いますが、この母親は子どもを自宅に残して外泊したのでもなければ、夏の車内に置き去りにした訳でもなく、プロとしての責任を果たす旨を約束した情報を信頼し、このベビーシッターに子どもを預けたに過ぎないとの見方もできます。若い母親には貧困やDVなどさまざまな事情で家族を頼れない人も多く、経済的に自立しようとする場合、子どもを他人に預けざるを得ないこともあるのではないでしょうか。今回の事件を母親だけの責任として、簡単に片づけてしまう事には、強い疑問を感じます。
「待機児童対策」だけにとどまらず、地域の若い母親が、必要なときに安心して利用できる、より手厚く柔軟な子育て支援サービスを検証する時に来ているのではないでしょうか。
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今回のケースでは、母親が批判される立場で、少しばかり報道が加熱しているような気がします。
ひとりの大切な命が消えてしまったことについて、心からご冥福をお祈りいたします。
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